2024年10月25日

名品再生 JBL4343B その3 完成試聴!

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定休日も利用し、連日作業で完成させました。

2405、分解、鉄粉除去 接触改善
2420、分解 鉄粉除去 接触改善 吸音材交換
入力ターミナル、インターナルエクスターナルSWクリーニング接触改善
内部配線、剥き直し スーパーコンタクトオイル塗布
アッテネーター 取り外し分解、内部接点錆び録り(ガリ取り)
2121 入力ターミナル スーパーコンタクトオイル塗布
2231 入力ターミナル スーパーコンタクトオイル塗布

スイープテストもOKアッテネーターのガリも直りましたのでCDやレコードを掛けて試聴!
反応も良く素晴らしい出音に戻りました。
その様子は下記YouTubeで視聴願います。

できれは4K画質、カナル型イヤフォン又はヘッドフォン使用でお聴き願います。

JBL4343Bをドライブしているアンプは 山水AU-D707
スピーカーケーブルは長岡鉄男が推奨していたような電気用キャブタイヤケーブルの2スケです。
こういうスピーカーはAU-D707の様に
パワー段がシングルプッシュプルで反応が良いアンプで鳴らした方が
音抜け、切れ、生き生きとした感じの躍動感が出て低域も引き締まり快活に鳴ります。
重たくデカいパラレルプッシュプルの有名ブランド高級ハイパワーアンプで鳴らすと
概ね迫力は出ますが、低域が遅く重くこもる様な出音になる場合が多いと思います。
また、高域も低域も高エネルギーで出てきますので
低域処理がなされていない普通の部屋で鳴らすと「バウバウ」「ボフボフ」の
だらしない低音になってしまいます。

1982年録音のCD音源 AB'S 下のYouTubeで!


アナログレコード再生 3枚 下のYouTubeで!
チェロ 愛のコリーダ ドラムセッション45回転チェックディスク




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2024年10月22日

名品再生 JBL4343B その2

奥へ外れて空転している鬼目ナットを外す為、
ウーファーの穴から腕を突っ込みウォーターポンププライヤーで
何とか鬼目ナットを固定してもう片方の手でドライバーを回しバッフルを外しました。

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爪が曲がっていた鬼目ナットの爪を起こし接着剤を付けてエンクロージュアへ打ち込みました。
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外したドライバー2420とトゥイーター2405 錆て粉吹いています。
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トゥイーターのホーンを外すと振動板に細かな鉄粉が付着しています。
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こちらも
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ホーンのセンター部分を固定しているビス
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本体内部にシミがついています。
周りが錆びていましたので結露して水分がしみ込んだ感じですかね?
寒い部屋で暖房を利かせると冷たい金属部分が結露します。
これを40年ぐらい繰り返すとこうなるのか?
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綺麗に見える振動板も少しクリーニングするだけで綿棒が黒くなります。
鉄粉と汚れですが小さな鉄粉は磁気で吸引されて振動板に残るので振動板を外して取り除きます。
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磁気ギャップにも鉄粉が入っていましたので取り除きました。
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入力ターミナル
メッキ、鉄、ラグ、酸化被膜でおおわれる接点満載で見ない方が良い構造ですが、
これがあの音を生むんです。(笑)
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接触する接点部分を綺麗にしました。
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あの菅野氏が075のこの部分を銅線で直結構造にして「音が変わった」と言っていた事を思い出します。
私も試しましたが(笑)直結にした場合、しなやかで高分解能になりますが切れ味は後退します。
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ダイヤフラムのボイスコイルリードをハンダ付けするラグ
ラグのこの部分へ鉄ビスで導通するので輝くまで酸化被膜を取り除きます。
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ビスもこんな感じで酸化被膜で白くなっています。
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粉吹いていましたが、綺麗にしました。
クリーニング後の入力ターミナルは輝いています。
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2420ドライバー
スポンジは加水分解で劣化、ボロボロ
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朽ちたスポンジが振動板に乗っています。
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振動板を外す前に細かな汚れを落としました。
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振動板を外すと細かな鉄粉がいっぱいありますので
粘着テープで引っ付けてすべて取り除き
磁気ギャップに入っている鉄粉も取り除きます。
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2420はリードが付いているので
トゥイーターよりさらに接点が多い!
全部酸化被膜を取り除きクリーニングします。
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加水分解していたスポンジを剥ぎ取りました。
ネチャクソで汚れるんですわ...。
新規で同じように吸音材を作り直します。
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腰と背中がめちゃくちゃ筋肉痛です。(笑)
定休日も頑張って作業して一気に仕上げ試聴したいと考えております。
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4344ぐらいまでの43系は針葉樹林「米松」が多用されているので匂います。
部屋にあるだけで、何となく永谷園の「松茸の味お吸い物」に近い感じの良い匂い
自分が所有していた時に妻から「JBLは芳香剤の様な匂いがする」と言われていました。

力尽きましたので今日はここまで...。
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2024年10月21日

名品再生 JBL4343B その1 スタート

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休み明けの今日は重要案件が1件のみで後は時間がありましたので
とりあえず朝一番で分解して作業を開始いたしました。

このスピーカーは中古で購入されたという事でしたので色々確認しながら分解、
バッフルは一度外された痕跡がありましたが
予想通り固着してビスを外しただけでは全く外れませんでした。

前にバッフルを外した方が電動ドライバーを使用したためか、
鬼目ナットが一つバカになっていて外すのに苦労した事と
斜めに無理やりビスを締め付けてネジ山を噛んで途中で止まっているビスが1本ありました。
JBLのスピーカーは鬼目ナットが多用されています。
鬼目ナットは押し込みながらビスを緩めると刺さっている部分が外れてしまい
ビスが空転して抜けなくなります。
私が初めて分解する場合は気を付けて分解しますので、まずおかしくなることは無いのですが、
セカンドユーザーとなる中古品で何かしらの手が加えられている物の場合こういう感じが殆どです。
ミッドとウーファーのエッジは交換されていましたが
スピーカーの中には劣化して朽ち落ちたエッジがそのまま入っていました...。

全てのユニットとスピーカーターミナル板を外した後に銘板を外しました。
接着してありますので無理に剥がすとシワが入りグチャグチャになってしまいますが
必殺の薬剤で上手く剥がしました。
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銘板を剥がすと、アッテネーター固定板のビスが出てきますので外しました。
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カバーを開けるときは右のアッテネーターの爪の開き程度以上に爪を開くと
再びカバーを閉じて爪を戻す時に爪が金属疲労で折れてしまいますので
ギリギリのところで起こすのを止めます。
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カバーを外し分解して確認すると、
巻き線抵抗部分は綺麗ですが摺動子と本体側の接点がNGです。
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錆びと軸のグリスが流れ出て付着しています。
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摺動子も錆びてます。
巻き線抵抗との接点より本体側2番ピンの接点部分が酷い
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右側のアッテネーターを物理研磨で軽く磨きました。
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摺動子も軽く磨きました。(右側のみ)
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グリスと錆でグチョグチョです。
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軽く磨くとこんな感じにきれいになります。
この後、巻き線抵抗0地点の真鍮接点と巻き線抵抗も含めて本磨きして
スーパーコンタクトオイルを塗布して戻しました。
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2405用のアッテネーターはこれ以上分解できません。
上からの見た目は綺麗ですが...
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隙間から確認すると2番ピンの摺動子接点が少し錆びていますので
隙間からスーパーコンタクトオイルを塗布しながら磨きました。
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スピーカー入力ターミナル プラス側
ラグと鉄ビスでプッシュ式のターミナルを固定しています。
ビスに酸化被膜ができていますので、スーパーコンタクトオイルを塗布して磨きます。
ターミナルのメスネジ部分とターミナルのバネ圧で噛みつく部分もメンテします。
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スピーカーターミナル マイナス側
ラグとプラスネジで通電する構造はプラス側と同じ
見ない方が幸せを感じる構造、接点、材質(笑)

しかし、この部分を高級なターミナルへ変えてハンダ付けで対策してしまうと
JBLを感じるあの音が出なくなります。
ターミナルだけ変えたところで
f特や歪み率等、目で確認できる性能測定は何も変わらないのですが、
人間の耳はそれより高感度な感性の部分があるので
WBTのターミナルや高級品のロジウムメッキターミナルへ変えると
「これJBL? あんた誰?」みたいな音の質感になってしまいます...。
いわゆるチューニング品や改造されたスピーカーの音に近くなりますので
昭和の頃に聞き慣れたあの音が好きな方の場合は直ぐに違うことが判ると思いますが、
改造やチューニングされたスピーカーで初めて聞く場合は違和感はないので
見た目が綺麗にされたJBLに見えてJBLらしい音がしていないスピーカーが売れるのだと思います。
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今日は全てのユニットを外し、片側のアッテネーターと入力ターミナル、
インターナル//エクスターナル切り替えスイッチのメンテナンスで終わりました。

ユニット外しやバッフル外しなどの動画も録りましたので後日UPします。

この地点で、腰痛が再発してきました...。(笑)

posted by SoundJulia at 22:34 | Comment(0) | TrackBack(0) | スピーカー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年10月19日

JBL4343B メンテナンス

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お得意様からの依頼でメンテナンスを請け負いました。

お客様立会いで現在の状態を店で聴いてみる...
JBLバ◯の私の感覚でコメントします。
経年で経たっている感じの出音で中低域に迫力がなく音の鮮度も低いし
ホーンの音が主張している感じが強くJBL本来の面白みがない...。

この感じだとメンテして抜けとキレの良い4343の音に戻したくなります。

各接点の状態を確認すると
インターナル・エクスターナル切り替えスイッチの接触が悪い
各アッテネーターにガリと音が出たり出なかったりする部分がある...。

とりあえずアッテネーターは0部分の接触が良くなるまで左右に回し
インターナル・エクスターナルスイッチもガチャガチャと
接触が良くなってくるまで切り替えを繰り返して再試聴

中低域がしっかりして、高域もキレが良くなり鮮度も上がる
ドラムのアタック音も飛んでくるので
この感じだと下記の処置で改善ができると判断

2405 分解清掃(接触改善、磁気回路鉄粉除去)

2420 分解清掃(接触改善、磁気回路鉄粉除去、振動板位置合わせ)

・各アッテネーター分解錆取り(ガリ取り)

・スピーカーターミナルメンテ(インターナル・エクスターナルのスイッチ含む)

・内部配線接触改善

その他は作業しながら考えるという事で了解を得ましたので

来店されているお客様が居ない時に作業します。


このモデルの場合、基本的に重たい(笑)下手すると腰痛や怪我をする

バッフルを外す事が必要で、基本的に引っ付いていてなかなか外れない

アッテネーターを外すには銘板を剥がさないとビスが出てこない

ウーファーもミッドも張り付いていてなかなか外れない

グラスウールがチクチクして粉が鼻の穴に入る(笑)等々

やりにくさ満点で作業は面倒...。

しかし、久々の43系メンテで気分的には悪くないです。

その理由はメンテ後の出音を早く聴いてみたいからです。

学生の頃に聴いた4343の音を蘇らせる!

腹に来る低域、飛んでくる中音域、馬鹿みたいに切れるシンバルの音

コレを再現したいという欲があるから(笑)

オリジナルから外れるとあの頃のイメージの音質とは違う音になってしまいますので

内部配線もスピーカーターミナルもオリジナルのままで

接触改善してメンテいたします。


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2024年10月12日

DS Audio DS-E3 光電式カートリッジでスティーリーダンGauchoを再生して空気録音

DS Audio最新式カートリッジDS-E3とイコライザーの組み合わせで
スティーリーダンのガウチョ A-2を再生し、B&W SS25の出出を空気録音しました。 

DP-3000 改 
DS-E3(カートリッジ+フォノイコライザー)
AU-D707
B&W SS25

MMともMCとも違うカテゴリーのカートリッジですが、
どちらに近い出音かと聞かれた場合、高性能MCに近い出音感です。
力強く歯切れ良くエネルギー感ある低域
高分解能で抜群の定位、再生周波数レンジも広く
雑味というか音の濁りを感じないクリーンな出音!
カートリッジ+専用フォノイコのセットで約¥30万の製品ですが
従来型MM/MCカートリッジでこの出音感を¥30万で実現する事は
難しいと感じますのので、コスパは抜群と思います。
使い方は、従来のカートリッジと同じようにシェルへ付け
フォノイコライザーのみ専用フォノイコへ入れ替えて繋ぐだけです。
レコードプレーヤー、フォノケーブルはそのまま使用できます。


posted by SoundJulia at 16:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | スピーカー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする