本日、DS Audio DS-E3持参の営業さんが来店されましたので、
光電型カートリッジを試聴させて頂いた。
DS-E3カートリッジとHS-001シェル
DS-E3フォノイコ
DENON DP-3000改 アナログプレーヤーへ取り付けて試聴!
DS Audioは、お客様からお話をうかがったりメディアやネット上のレビューは目にしていましたが
店で試聴はしていなかったので、興味津々でセットして試聴しました。
大きな違いはフォノイコライザーに専用イコライザーを使用しないとダメ(動作しない)というだけで
基本的には従来のMC/MMカートリッジとセット方法や使い方は同じ
今まで使用していたフォノケーブルもそのまま使えます。
音出し直ぐに感じたことですが、
従来のカートリッジで、MMとMCのどちらに似た音が出たかと言うと
高音質Hi-Fi系MC型の出音に似ています。
中高域の分解能、反応が良く、低域は引き締まりドロドロしたゆるい感じが無く
全域でエネルギー感があり抜けが良く音は濁る事なく明瞭!
これはイケると感じたので
アナログレコード デモ用キチガイ録音をかけてみる...。
シンバルのキレ、ウッドベースのゴリゴリ感も破綻なく出てくる!
小型SPやトールボーイ型で音量を上げて聞くとスピーカーが壊れるような音源の
脅威のデジタルパーカッション アナログレコードB-1をかけてみると
打楽器の音圧で体がしびれ、大太鼓の「ド〜ン」の一発が全身を覆う...
持ち込んできた営業さんが驚いて「これはすごい低音ですね」と言葉が出た!
パルシブに立ち上がり立ち下がる感じは気持ちが良い!
このレコードで針飛びしないという事はトラカビリティーも問題はない
で、バカ音源は止めて荒井由実のユーミンブランドをかけてみる...。
A-1 あの日にかえりたい
最初のドラム一発が気持ちよく立ち上がり曲が始まる
高、中、低のバランスが均一でボーカルも素直
色々聴いてみると
サクサクと気持ちよくキレて高分解能な高域
フラットで癖のない中音域
立ち上がりが良くエネルギーもあり分離と締まりの良い低域という感じの出音で
RIAAイコライザーカーブが正確に処理されている感じです。
今のアナログ情勢ですが、MCカートリッジを使う場合
インピーダンスが低いので概ねフォノケーブルの整合性は問題ないのですが、
(といってもフォノケーブルを変えると音色は変化します)
MMカートリッジを使用する場合は静電容量が問題になります。
昭和の時代の様にMMカートリッジ用として適合性を合わせたフォノケーブルの販売は無いので
今の時代でMMカートリッジを使用しようと思うと
正確なイコライザーカーブで聴くことが出来ないというのが事実です。
DS Audioの場合、上記の問題は無いので
ある意味で現代の使い方に合っているとも言えます。
DS-E3フォノイコへ
当店のドライカーボンインシュレーターとメタルベースを合わせて使用してみると
静寂さと力強さ音場空間などが格段に良くなり低域は地に足が付いた感じに...
更にシェルの根本へドライカーボンシェルリングを装着してみると
定位が良くなり分解能が更に向上した!
ボリューム位置はそのままにしてミュート、
当店のアクセサリー類を全部外して元に戻し同じレコードを聴いてみると、
丸っこい感じの出音かつS/N感や分解能がガクッと落ちて聞こえますので
アクセサリー使用の反応としては通常のMM/MCカートリッジと同じと確認できました。
営業さんも「インシュレータなどは使ったほうが良いですね!と...」
DS-E3の針は楕円針(無垢針)
一般的なカートリッジの場合ですが、
針がラインコンタクトやマイクロジッジ等の高級高額カートリッジの場合
分解能が上がり細やかで繊細な表現になるけど
リズム系を聞く場合のエネルギー感や押し出しは弱くなる傾向なので
クラシックをしなやかで優雅に聞く以外は、この楕円針でオールマイティーを感じます。
70〜80年代のレコードはマスターテープもカッティングマシーンも概ね高域限界は16Khz
18Khzまでカッティングできるマシーンは
デジタルマスターが可能になってからのアナログ終盤のビクターならあるけど
ダイレクトカットも高音質レコードも
この楕円針で聴いてもサチらないので十分行けると思います。
価格
DS-E3カートリッジ:¥125,000-
DS-E3フォノイコ:¥150,000-
合計:¥275,000-(税別)
DS Audioの中では驚くほどリーズナブルな価格です。
現在アナログブームで定価¥30万以上のMCカートリッジはザラにあります。
高音質で高分解能、抜けが良く明確な出音のMCカートリッジが好きな方には好まれると思います。
従来型のMCカートリッジ+フォノイコライザーを組み合わせ
上記DS Audio DS-E3のセットとほぼ同価格で
同じ程度ので音を求めてもなかなか難しいと感じます。
標準的な出音の低価格MCカートリッジ、DENON DL-103、103R 等と比べた場合
103は、丸針独特の出音感で中低域に厚みや太さ、全体的な音の安定感を感じますが
分解能が低いので解像度や爽やかな抜け感、ハイハットの細やかなキレや
残響や音場空間の表現が、かなり低い感じに聞こえます。
デモ品は持ち帰られましたので後日店頭展示したら店で試聴可能です。