2015年03月10日

JBL L40

1970年代のコンシュマー用スピーカーL40が入荷
お決まりのウレタンエッジNG、アッテネーターにガリ有り...。

古い割に外観は綺麗で、
年式を疑う様な良いコンディション!

ウーファーの修理を業者へ依頼すると
スピーカーの売値が合わなくなるので
何年かぶりに自分で作業する事にしました。!

自分で作業するのは
前の前の店舗以来かもしれない?
前の店舗は千種区の星ヶ丘で
その前は天白区の植田...。

今は瑞穂区の須山、
原点まで戻るとなると
前の前の前の前ですわ(笑)

もう引っ越しませんよ!

サクッとばらします。
DSCF0804[1].jpg
箱の上に載っているグラスウールは
ウーファーのインピーダンス特性を良くするシェルです。

アルニコマグネットですね!
DSCF0805[1].jpg

エッジは掃除機で吸い取りました。
コーン紙裏の劣化エッジを除去します。

DSCF0807[1].jpg

こそぎ落とすとこんな感じになります。
DSCF0806[1].jpg

フロント側
飾りのガスケットを外した感じです。
DSCF0810[1].jpg

エッジと接着剤のカスを除去します。
DSCF0811[1].jpg

DSCF0809[1].jpg

デラばばちくなるんです...。
(すごく汚い)
DSCF0808[1].jpg

この劣化エッジと接着剤を取り除くのが一番手間で地味で嫌な作業です...。

アッテネーターとネットワークを外すには
JBLのプレートを剥がさなければいけません。
(固定しているビスが隠れているんです。)
DSCF0813[1].jpg

プレートがグチャグチャになるとカッコ悪いので上手く外します。(笑)

ネットワークがこんにちはです。

DSCF0814[1].jpg

基板を使っていない良いネットワークです。!

JBL本来のサウンドを重視しますので
他店のメンテナンスでよく見る
高級フィルムコンデンサへの交換や
空芯コイルへの交換などは致しません。

言い方はカッコいいのですが、
これらのパーツと
フェノールのツイーター、アルニコのウーファーが醸し出す
臭いJBLサウンドが聞きたいだけです。(笑)

良い部品に変えると臭さが無くなってしまいますから...。

アッテネーターはガリっていますが、
抵抗体の接触面が錆ている訳ではなく
DSCF0815[1].jpg

DSCF0816[1].jpg

中心にある2番のセンター部分の接触が悪くなってガリる事が殆どです。

このタイプは分解できませんので
研磨を諦めますが
Supercontactoilを塗布して仕上げます。

ネットワークはハンダ付けで良いのですが、
ユニットの配線接続部分や
スピーカーターミナルの接点がプアで気になります。
DSCF0817[1].jpg

ネジの軸へ差し込むだけです...。
これがアノ臭い音の秘密ですね!(笑)

エッジをコーン側から貼ります。
DSCF0812[1].jpg

もう一丁
DSCF0819[1].jpg

コーン紙側のエッジが貼りついてから
外側のフレームへセンター出ししながらエッジを貼ります。

接着剤が乾くまで暇、
ネットワークを戻しダラダラの配線を撚ってツイーターも戻します。
もちろんすべての接点にコンタクトオイルを塗布しています。
DSCF0818[1].jpg

早く聴きたいのですが、明日へ持ち越しです...。


タグ:JBL L40
posted by SoundJulia at 02:03 | Comment(6) | TrackBack(0) | スピーカー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして。私は富山在住の津田といいます。
JBL L40 のアッティネーター掃除をしようと思い
検索していましたら、店長さんの記事にヒットしました。
写真を見ていますと、キャビネットから外したあと、
すべての配線が抜かれ(切られ)ていますが、やはりそうしないと掃除はできないのでしょうか?
ハンダを持っていないので、できればキャビネットの上に
置いて作業ができればいいなと思うのですが。
Posted by 津田 泉 | URL | 2015年07月01日 19:49
津田 様

ブログをご覧いただきありがとうございます。

JBL製品の場合、多くのモデルの殆どが、
配線の接続は、ファストン端子で差し込んであるだけですから、
ハンダ付けを外したり、配線を切らなくても、
スピーカー、ネットワーク、アッテネーターは外れます。

お問い合わせのL40の場合も、
ユニットとネットワークは端子で結合されていますので、
ハンダ付けを外す事無くアッテネーターを取り出して
メンテナンスする事ができます。

このL40の場合、この後、
接点を無くすことが目的となりますので
ファストン端子は切り落とし
入力ターミナルやユニットに、
直接ハンダ付けしています。

取り出したアッテネーターのメンテナンスも
配線を外す事無く分解できます。

上記の事は、
ユニットを外して確認されると分かると思いますが、
壊したり、上手く作業ができない等となった場合、
私の方では責任が持てませんので
これ以上のサポートはできません。

作業の全ては自己責任でお願いします。
Posted by SoundJulia | URL | 2015年07月02日 13:13
ご丁寧な説明ありがとうございました。
ハンダが不要ということがわかり安心しました。
返礼が遅くなりまして申し訳ありませんでした。
Posted by 津田 | URL | 2015年07月07日 21:55
初めまして 私は 1963年製 千葉県在住の青木と申します。
美しい画像と丁寧なご説明でブログ興味深く拝見致しました。

実は JBL L40 始めての自身でのエッジ交換の為、
スピーカーを外さなければならないのですが
壁にブチ当たり 大変厚かましく恐縮なのですが
こちらコメント欄へ質問をさせて頂きました。
もしもアドバイス頂けましたら大変ありがたいです。

現在、ウーハーは プラスネジ4本を外しましたがビクともせず。
ツイーター外周のインチ六角ネジ3本を外し、
裏からウーハー押しだそうとしたのですが
初めての私には その力加減も解らずツイーターもビクとも動かせない状態になります。
この様な場合 店長さんは どの様な方法で外されているのでしょうか?
お手空きの時で結構です、どうぞ宜しくお願い致します。
Posted by 青木 淳 | URL | 2024年04月20日 22:33
以下、私の外し方ですが、
一切の責任は持てませんので、
参考にして実践される場合、自己責任でお願いします。

この年代の場合、
多くのJBLは箱とユニットが経年で貼り付いていると思います。

外し方はウーファーユニットの金属フレーム穴へ
穴の経より大きくて先が細くなっている太い鉄板ビスをねじ込んで
ペンチでビスを挟んで引っ張ると外れます。

この時、ビスがフレームより奥へねじ込めるような細い物はNG
(箱の中に付いているウーファー固定用の鬼目ナットのネジ山が潰れます。)
感覚的にビスをフレームの金属部分だけに食い込ませる感じです。

「バリッ」という音とともに外れると思います。
Posted by SoundJulia | URL | 2024年04月21日 11:22
早速のご返答、誠にありがとうございます。
そして素人でもイメージし易い言葉選び、とてもありがたいです。
よくシミュレーションしてチャレンジしたいと思います。
取り急ぎ お礼申し上げます。
Posted by 青木 淳 | URL | 2024年04月22日 15:44
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