2009年03月18日

JBL アッテネーターのガリ取り

JBL4343B入荷で、動作テストすると、
各アッテネーターに、お決まりのガリが...。

早速外して状態確認、
整備できるようであれば直します。
(もう何台直したか忘れました...。)

最初にウーファーを外します。

アッテネーターを外すためには、
アッテネーター部分のアルミプレートを剥がす必要があります。

7 212.jpg


プレートをぐちゃぐちゃにしないために
隙間からシール剥がし剤を注入し、徐々に剥がします。
強烈に固着している部分は、
カッターの刃を入れて隙間を作り
シール剥がしを流し込みながらゆっくり剥がします。
写真は剥がれる寸前です。

剥がすと、固定ビスが現れます。

7 213.jpg

ビスを全部緩めウーファーの穴から手を突っ込んで
アッテネーターを掴み外します。

7 214.jpg

そのままウーファーの穴から外に出します。

7 215.jpg

余裕の有る長さでケーブルが繋がっているので
簡単に外に出せます。

7 216.jpg

留まっているサイズは
ウルトラハイが13、ハイとミッドは12mm

7 217.jpg

外れました!
金属カバーを固定している4つの爪を開けます。
おもいっきり開けると、閉めるときに折れてしまいますので
最小限の開きで止めます。

7 218.jpg

カバーを外して見ても、
ガリが発生する理由が分からないほど中は綺麗です。

7 219.jpg

ガリの根源は、巻き線抵抗部分ではなく、
ご覧のように、グランド側の接点部分です。

7 220.jpg

左は、外したままの状態、
右は、錆を落とした状態です。

7 221.jpg

こうなる原因は、
シャフトに入っているシリコングリスが
内部に流れ出し、グランド側の接点に付着

7 222.jpg

温度や湿度、四季の移り変わりなどで
グリスへ水分が入り込み、金属部分を腐食、
シャフトが近い、グランド接点がこの様になることが原因です。

グリスをふき取り、
グランド側の錆を落とし、
接触を良くすれば、完全に直ります。

ジュリアでは、この作業の後、SuperContactOilを塗布して
接触の改善と、錆の防止をいたします。

やってはいけない事として、
金属カバーのうろこ状の隙間から、
ケイグ等の接点復活剤を噴射して
アッテネーターをグリグリ回してガリを取る事です。
一瞬ガリが消えますが、直ぐにガリが出るようになります。

この場合、接点復活剤の溶剤や主成分が、
グランド側のグリスを溶かし、一時的に接触が良くなるためですが、
グリグリ回すことにより
解けて錆を含んだグリスが、
アッテネーター全体に流れだし、
健全だった巻き線抵抗側にも、
全体的に錆とグリスが付着してしまいます。

2〜3ヶ月で、巻き線抵抗部分も錆が出てしまい
また接点復活剤で直す...。
この繰り返しをやったアッテネーターは
見るも無残な錆だらけの酷い状態になります。

こうなると、末期症状なので、メンテナンス不能
新品交換になります。

ちなみに、6個全部交換する場合の部品代は
約¥25.000-です。

接点復活剤の宣伝写真や
ガリ取り整備の様子を写した写真等で
隙間からノズルを差し込んで、
接点復活剤を噴射している場面を見ることがありますが
この方法では、一時的にガリが取れて有効かもしれませんが、
直すという観点から見た場合
一番ダメ、最低な整備方法だと思います。
posted by SoundJulia at 18:53 | Comment(1) | TrackBack(0) | スピーカー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
JBL4343Bのアッテネーター2年前に全て分解整備をしま
したが、最近スパーツイターの音が片側音が出ていない
のに気ずきました。再度整備するより今回は6個交換し
たいと思います。そちらのショップで購入可能でしょうか。可能であれば、すぐにでも購入したいでご連絡下さ
るようお願いします。
Posted by 鈴木和夫 | URL | 2012年04月28日 17:49
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