ひとつ前のブログで紹介したキンバーの電源ケーブル
お客様からのご依頼でワッタゲートのプラグを再利用して新たにケーブルを作り直しました。
ケーブルからプラグをすべて外してみると、
メーカーで組み立て時に締め付けすぎでねじがバカになっていた物が1個
斜めにねじ込まれていたもの等がありました..。😱
分解してバカねじは付け替えて
斜めにねじ込まれていたものも真っ直ぐにねじ込みなおし使えることを確認して再利用しました。
人力ではなく電動(エア)工具などで組み立てているんだと思います...。
外したプラグとケーブル
キンバーの電源ケーブル、当時私も個人的に買いました(笑)
今見ると、ただの3芯ビニールケーブルで、プラグがワッタゲートというだけですね...。
米国機器に付属しているベルデンの電源ケーブルは新品でも胴体が茶色く酸化している場合が殆どですが、
このキンバーケーブルの胴体はまだ光沢がありました。
今回、電源ケーブルとして使用するCVシールドケーブル
絶縁体は架橋ポリエチレン、銅箔シールド構造ですから
部屋の壁内で屋内配線として使用されているVVFや
一般的なキャブタイヤケーブなどと比べても上質です。
IECプラグの方は一旦分解して組みなおします。
ワッタゲートのプラグですが、一見、マリンコと同じに見えますが
丸いハウジングは固いホスピタルグレードの物が使用されていまして
ハウシングやケーブルを留めるネジは非磁性体に変更されています。
コンセントプラグの方も同じです。
比べるとマリンコより硬めで締まった音質傾向となります。
付け替えて完成させました。
余談ですが、
オーディオ機器へ現在主流の3Pコンセント3P電源ケーブルで電気を供給
機器側もIECプラグ、コネクタで繋いでいる場合、
IECコネクタのアースが機器内で配線してある機器同士でシステムを構成した場合
(海外製品はまず繋いである)
電源ケーブルとラインケーブルのグランドで多重アースループができてしまいます。
弊害としてはノイズが出たりすることもありますし、
アースループができている場合は音の見通しが悪くなり分解能が落ちます...。
音質的に良くなる事は無く改悪になる場合が殆どですので
今回のケーブルはお客様が使用される機器の構成を確認して
アースループができない様に作りました。
ケーブルのシールドは、コンセントプラグ側で大地アースと繋ぐように結線していますが
必要のない機器側のアースはIECプラグの方で外して結線していません。
(アースループの問題は説明しても理解していただけない場合が多く困りものです...。)
高級なパウンドウイットの網組と相まってイカしたケーブルとなりました!
完成後店の機器の電源ケーブルと付け替えて試聴してみると
3.5mmと太い導体のケーブルですが音像が肥大することも音が滲んでボケることも無く
アタック音はバシッと決まり立ち上がり良く低域は締まって力強い音質傾向です。
エージングによりしなやかさと透明感が出てきますのでしばらく使うと良い感じになると思います。