光カートリッジは、従来の電磁誘導型(MM/MC型)カートリッジとは
根本的に異なる原理でレコードの音溝(グルーヴ)を読み取ります。
1、スタイラス(針)の動き: レコードの溝に沿ってスタイラスが振動します。
2、遮光板(シェード): スタイラスの動きは、非常に軽量な遮光板に伝わります。
3、光センサー: カートリッジ内部には、光源と、
その光を受けるフォトディテクター受光素子が配置されています。
4、信号生成: スタイラスの動きに伴い、この遮光板が光路の一部を遮ることで、
フォトディテクターに到達する光の量が刻々と変化します。
5、電気信号への変換: この光量の変化が、
電流の変化としてフォトディテクターから出力されます。これが音楽信号となります。
つまり、光カートリッジは、スタイラスの機械的な動きを光の変化に変換し、
それを電気信号として取り出す仕組みです。
光カートリッジの利点
光カートリッジの動作原理は、従来の電磁誘導型に比べて、
いくつかの科学的・音響的利点をもたらします。
1. ゼロに近いムービングマス(可動部質量)
電磁誘導型カートリッジの最大の課題の一つは、
発電機構(マグネットやコイル)をスタイラスの動きと一体化させる必要があり、
可動部全体の質量(ムービングマス)が大きくなることです。
光カートリッジでは、信号生成に必要なのは非常に薄く軽い遮光板のみです。
コイルやマグネットは不要なため、可動部の質量を極限まで小さくできます。
利点: 可動部の質量が小さいほど、慣性が減少し、
スタイラスがレコードの微細で急峻な音溝の変化(高域成分や過渡応答)に
極めて忠実に追従できるようになります。
これにより、解像度や立ち上がりの速さ(過渡特性)が向上します。
2. 速度ではなく変位(位置)に比例した出力
電磁誘導型カートリッジの出力電圧は、スタイラスの速度(磁界の変化率)に比例します(ファラデーの電磁誘導の法則)。
そのため、電気信号として一般的な変位(振幅)に比例した信号を得るためには、
イコライザー(RIAA補正回路)で低域を持ち上げ、高域を減衰させる補正が必要になります。
光カートリッジの出力は、遮光板の位置、すなわちスタイラスの変位(振幅)に直接比例します。
利点: イコライザー回路での複雑な周波数補正の負担が軽減されます。
特にRIAA補正回路は位相特性の乱れやノイズ発生の原因となることがありますが、
光カートリッジでは補正量が少なく済む、あるいは全く異なるシンプルな電気的補正で済むため、
より位相特性に優れ、低ノイズな再生系を構築しやすくなります。
ただし、光カートリッジの出力自体は非常に小さいため、専用のフォノイコライザー(フォノアンプ)が必要です。
3. 電気的な負荷の影響を受けにくい
電磁誘導型(特にMC型)は、コイルが低インピーダンスで、
ケーブルやフォノイコライザーの入力インピーダンス、
容量などの電気的負荷の影響を受けやすく、
その特性(特に周波数特性)が変動しやすいという側面があります。
光カートリッジは、出力が電流源に近いため、
後段の電気的負荷(ケーブルやフォノイコライザーの入力インピーダンス)による
音響的な影響を受けにくいという利点があります。
再生使用機器DP-3000 CFチューン、再発45回転ブルーノート録音検聴用プレーヤー
(録音エンジニア:スティーブホフマン仕様)
DS-Audio DS-E3 (光カートリッジ+専用フォノイコライザー)
DENON PMA-255 (オーバーホール済み)
JBL ハーツフィールド (150-4C+375+075)
ワンポイントマイク:タスカム ポータキャプチャーX8
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